アルヒ動物病院は、札幌の動物病院です。イヌ・ネコ・ハムスター・ウサギ・フェレット・他小動物の診療をおこなっております。
ジアルジア症は人にも感染する原虫で、人獣共通感染症のひとつです。ヒトも動物も同様の症状を発症します。
イヌ・ネコからヒトへの感染は明確な答えが出ていませんが、注意が必要です。
原因
ジアルジアという原虫(ランブル鞭毛虫)に感染することによって起こります。
ジアルジアの「シスト」(外界抵抗力のある卵形のもの)を口にすることで感染が成立します。
「シスト」は、症状の出ていない(不顕性感染)動物の便中に排泄されます。
糞便を屋外に放置しておくことで、土壌や水溜まりに「シスト」が散らばり、汚染されて行きます。
汚染された土壌に触れたり、水たまりの水を飲んだりすると、ジアルジアに感染してしまいます。
6カ月齢以下の子犬の30%がジアルジア抗原陽性という報告もあります。
症状
ジアルジアに感染した場合、健康な成犬、成猫では特に目立った症状はありませんが、特に子犬では7日~10日の潜伏期間を経て下痢がよく見られます。
下痢は再発を繰り返すことや、長期間に及ぶことがあります。
下痢が長引くと、小腸で栄養分を吸収できなくなるため、発育不良や体重の減少が見られるようになります。また、抵抗力が落ち、二次感染の危険も出てきます。
診断
糞便の中にジアルジアを直接顕微鏡で確認するか、抗原を調べます。
治療
抗原虫薬で治療します。
多頭飼育の場合は全頭の駆虫が必要です
再感染しないよう飼育している環境を熱湯やクレゾール3%溶液などなどで消毒し、動物の体もこまめに洗います。
予防
ひろい食いをさせないこと、水たまりや河川などの水を飲ませないこと、便を放置しないことです。
下痢の動物はすぐ動物病院へ。