食べているのに痩せてきた、落ち着かない~ネコの甲状腺機能亢進症2016年09月26日

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甲状腺は喉の気管の両側にあるホルモンを分泌する器官です。
全身の代謝を活発にし、体温を一定に保ちます。
甲状腺機能亢進症は甲状腺のホルモンが過剰に分泌される病気で、一見元気があり、食欲も旺盛なため発見が遅れることが良くあります
中~老齢ネコ(6~8歳以上)に罹りやすく、10歳以上になると10%が罹っていると言われています。

原因
甲状腺の良性腫瘍や異常な腫れによって甲状腺ホルモンが過剰に分泌されます。
まれに甲状腺癌によって発症する場合もあります。
症状
甲状腺機能亢進症になると代謝が更新するため、動きが活発になります。
落ち着きがなく、興奮しやすくなり、ときに攻撃的になることがあります。
食欲が増しているのに体重が減り、しだいに毛艶も悪くなってきます。
飲水量、尿量が増得る場合があります。
呼吸が速くなり、心拍が上昇することもあります。
嘔吐や下痢などの消化器症状が現れることもあります。
進行してくると、食欲や活動性が低下しはじめ、次第に衰弱して行きます。
これらの症状は、甲状腺機能亢進症のネコすべてに現れるわけではないので注意が必要です。
診断
血液検査で甲状腺のホルモンを測定します。
他の血液検査やレントゲン検査、超音波検査などで、他の臓器に影響が出ていないか調べます。
治療
甲状腺機能亢進症の治療法には、内科療法と外科療法があります。
内科療法では、抗甲状腺薬を投与します。薬の量はその仔によって違い、多すぎると副作用が出ることもあり、薬用量を決めるまでの1カ月くらいの間に、数回の血液検査が必要になります。
外科療法では、腫大した甲状腺を切除します。片側のことも両側のこともあります。

中~高年齢の猫に気になる症状が見られたら、すぐに動物病院へ。
早期に発見し、早期に治療を開始すれば、症状の進行を抑えることが可能です。

 

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