アルヒ動物病院は、札幌の動物病院です。イヌ・ネコ・ハムスター・ウサギ・フェレット・他小動物の診療をおこなっております。
突然耳が腫れて気にしていると言うラブラドール レトリバー
耳介が倍くらいに膨れています。
以前から耳を痒がっていたようで、数日前から急に腫れてきたとのこと。
痛みはなさそうですが耳は重たそうに垂れ下がり、耳介に液体が溜まっているようです。
耳道も炎症を起こしています。
腫れた耳に針を刺して確認したところ、耳介に血液が溜まる耳血腫です。
耳介は軟骨を皮膚が覆っており、内部の血管が破れ、骨と皮膚の間に血液の成分が溜まった状態です。
血管が切れる原因には、様々な耳の病気、外部寄生虫、異物、腫瘍、外傷、アレルギーなどの炎症で耳を搔いたり強く頭を振ることで血管が破れ発症します。
一晩で大量に溜まることがあり、放置しておくとさらに血液が溜まり、耳の変形、違和感により耳を傷つけることもあります。
治療方法は、注射器による血腫の吸引、抗炎症剤などを使う内科療法、外科手術があります。
いずれの場合も数週間の治療日数を要することがあります。
また、痒みをコントロールしないと再発しやすいので、元となっている病気の治療が重要です。
今回の子はアレルギーによる慢性的な耳の炎症が発端となっていました。
数週間の血腫の吸引と内科療法で完治しましたが、定期的な耳のケアを行っています。
最近アレルギーやアトピーが増えているようです。
耳に限らず皮膚のトラブルは慢性化すると完治が難しくなる可能性が高くなります。早めの受診を心がけてください。