アルヒ動物病院は、札幌の動物病院です。イヌ・ネコ・ハムスター・ウサギ・フェレット・他小動物の診療をおこなっております。
エキノコックスは条虫の一種で、単包条虫、多包条虫等4種類ありますが、北海道で問題になっているのは多包条虫という種類です。
イヌ科の動物(イヌ、キツネなど)が「終宿主(成虫が寄生する宿主)」で、ヒトやネズミは「中間宿主(寄生虫が幼生期を過ごす宿主)」となります。
北海道ではキツネとネズミの間で多く広がっていて、キツネの約40%が感染しているという報告があります。
エキノコックスの成虫は、キツネの小腸で卵を産み、その卵がキツネの糞と一緒に排泄されます。
ネズミがエサなどと一緒にこの虫卵を食べると、ネズミの体の中で幼虫となり、肝臓に寄生します。
この幼虫が寄生しているネズミをキツネが食べると、キツネの腸の中で幼虫が成虫になり、また卵を産みます。
イヌもキツネと同様、エキノコックスに感染したネズミを食べることにより感染が成立します。
ヒトへの感染はネズミ同様、虫卵を口にすることによります。
ネコの場合、エキノコックスが寄生しても発育が悪く、虫卵排泄はまれだと言われています。
同じ中間宿主のネズミからヒト、ヒトからヒトへの感染はありません。
また人から人への感染もありません。
・イヌ、ネコの場合
まれに粘膜便、下痢をすることがありますが、ほとんど無症状です。
エキノコックスの虫卵、成虫は顕微鏡でしか判別できません。
・ヒトの場合
人では主に肝臓に寄生し、感染しても症状を現すまでに数年から10数年かかります。
しだいに肝機能障害を引き起こし、放置しておくと命にかかわることもあります。
イヌ、ネコは有効な駆虫薬があります。
ヒトは患部の摘出になります。
・犬、猫にネズミを捕食させない。
・山の中に連れて行く時はよく注意。
・放し飼いはしない。