発熱2015年06月24日

 

 

ウイルスや細菌などの異物が侵入してくると体は熱を発します。

そのメカニズムは

  • 体の中の免疫系細胞は、ウイルスや細菌などの異物が侵入してくると、白血球やマクロファージと呼ばれる細胞で、それらの異物を取り込みます。
  • 異物を取り込むことで活性化された免疫系細胞の働きで、「サイトカイン」という物質がつくられます。
  • サイトカインは脳内に入り込めないため、脳内に情報を伝える物質のプロスタグランジンE2の産生を促します。
  • プロスタグランジンE2は脳内で拡散して体温中枢に作用します。
  • このことで発熱に関する脳内の神経回路が活性化され、熱放散の抑制と熱産生の促進の指令を出します。
  • 指令により皮膚の血管が収縮し、汗腺を閉じるなど、熱放散を抑え、筋肉をふるえさせて熱産生を促進します。

 

アスピリンなど非ステロイド性解熱鎮痛剤の多くは、プロスタグランジン合成酵素の働きを阻害することで、プロスタグランジンE2を作らせないようにして発熱のメカニズムを抑えています。

 

発熱は、体が身を守るための生体防御機能です。

  • 体内に侵入したウイルスや細菌の増殖に適した温度よりも体温を上げ、それらの増殖を抑えます。
  • 体温を上昇させることで免疫系の活性化を促します。

 

解熱剤は自然に備わっている防御機能を弱める可能性があるため、高温の発熱状態で、脳などへの障害が考えられない場合を除き、通常は使用しません

 

CIMG4341

 

 

このページのトップへ ▲