アルヒ動物病院は、札幌の動物病院です。イヌ・ネコ・ハムスター・ウサギ・フェレット・他小動物の診療をおこなっております。
お腹の隙間(腹腔)に液体が通常よりたくさん溜まったもので、血管の水分に圧力が加わり、腹腔に染み出た状態です。
多くの場合、血液中のタンパク(特にアルブミン)が減少します。
進行すると腹水によりお腹が膨れ、動きが鈍くなり、しだいに胃腸が押されるため、食欲が低下してきます。また、下痢や嘔吐を伴うことや、浮腫(むくみ)が出ることもあります。
長期経過では、食欲があるのに痩せてくることが多くなります。
原因
肝臓(肝炎、肝硬変)
腎臓(ネフローゼ症候群)
腹膜炎、感染症
心不全
悪性腫瘍(癌)などです
診断
腹水の有無は超音波検査で分かります。
腹水の原因は、血液検査、レントゲン検査、超音波検査、尿検査の他、直接腹水を採取し、総合的に診断します。
治療
腹水の治療は、原因疾患を治療しなければなりません。原因となる疾患を治さないかぎり、腹水は増え続けます。もちろん完治が難しい疾患もあり、対症療法に頼るしかない場合もあります。
当然、原因疾患により治療方法、使用する薬も違ってきます。
対処療法で腹水の量を少なくすには、直接針で刺して腹水を抜くか、利尿剤で尿として排泄するかです。ただ、腹水事態に栄養分が含まれているので、直接抜く場合、一気に大量に抜くと、かえって具合が悪くなることがあるため、慎重に行います。
利尿剤のほか、抗炎症剤や抗生物質、低アルブミン血症になっている場合は、アルブミンの補充をすることもあります。
原因によっては長期間の治療になることもあり、一度腹水が無くなっても再発することも珍しくありません。また、治療の甲斐なく亡くなる場合もあります。
少しでもお腹が出て来たなと思ったら、早めの受診がベストです。