アルヒ動物病院は、札幌の動物病院です。イヌ・ネコ・ハムスター・ウサギ・フェレット・他小動物の診療をおこなっております。
1ヶ月前から食欲が落ちてきた16歳のオスのネコちゃん
次第に痩せてきました。数ヶ月前から多飲多尿だったようです。
食欲が落ちる原因は胃腸障害のほか、腎不全、肝不全、膵炎、口腔の問題、心臓や肺の問題など、さまざまな原因があります
また、多飲多尿も泌尿器、消化器、循環器、内分泌系など多くの原因があります。
口腔の問題はなく、呼吸や心音にも問題はなく、ふらつきもありません。
血液検査の結果、腎臓に関するほとんどの項目が中程度の異常値を示しています。また、おしっこ検査でも腎臓の機能が落ちた時に出る物質が検出されています。
レントゲン検査や超音波検査で腎臓が小さく、形も少し歪なようです。
お話からすると、半年くらい前からおしっこの量が増えてきているようなので、慢性の腎不全が考えられます。
腎臓の働きは、赤血球を作るために必要なホルモンの産生・イオンバランスの調節・血圧の調節・血中カルシウム量の調節 老廃物の濾過、必要な物質の再吸収です
症状はそれぞれの働きが悪くなるため、食欲不振、脱水、嘔吐、貧血などですが。
普通、慢性腎不全は数か月以上かけてゆっくり進行するため、飲水量と尿量が増える程度でなかなか見付け辛く、食欲が落ちてきたときには中程度以上に進行していることが多い病気です。
軽度や中程度腎不全では、体液を補うことで元に近い生活を送ることができる可能性があります。
重症例ではなかなか状態が回復せず、嘔吐がなければ強制給仕をすることもあります。
放置すると老廃物を体の外に出せず尿毒症をおこし、嘔吐や神経症状などを伴い危険な状態になります。治療の甲斐なく死に至る症例も少なくありません。
血液検査で異常が出るのは、腎臓が7割くらい機能を落としてからと言われています。
歳を取った子には出来れば年4回の血液検査食欲、尿量や回数、飲水量もチェックをしてあげてください。