アルヒ動物病院は、札幌の動物病院です。イヌ・ネコ・ハムスター・ウサギ・フェレット・他小動物の診療をおこなっております。
1週間前から元気がなく、次第に食欲が落ちてきたロシアンブルーのネコちゃん。
最近ふらつくことがあり、昨日からほとんど食べません。
微熱があり、耳の内側や口の粘膜が白っぽくなっています。
血液検査の結果は中程度の貧血で、超音波検査で脾臓が腫れています。
貧血の原因はいくつかあります。
失血(体の外、中の出血)、溶血(赤血球が何らかの理由で破壊される)、造血障害など。
今回のネコちゃんは出血傾向もなく、血液は造られている様なので、何らかの原因で赤血球が体の中で破壊されている(溶血性貧血)可能性があります。
溶血性貧血の原因として、免疫介在性、 細菌やウイルスなどの感染、タマネギなどの中毒、血管肉腫などがあります。
今回のネコちゃんは感染症や中毒、血管肉腫はなく、幾つかの検査結果から、免疫介在性溶血性貧血でした。脾臓の腫れも、これが原因のようです。
ネコちゃんの場合、免疫介在性の場合、猫白血病ウイルス感染症(FeLV)、猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)の感染に関連して発生することが多いと言われていますが、今回の仔はどちらも陰性でした。
症状は貧血、ふらつき、食欲不振、嘔吐、黄疸、発熱などです。急性の場合は突然倒れてしまうこともあります。
治療にはステロイド剤や免疫抑制剤を使うことになります。
免疫抑制剤もいくつか種類があり、物によっては副作用の強いものもあります。症状、副作用の発生などにより、幾つか組み合わせて使用します。
ただ、薬を使っても症状が好転せず、貧血が進行し、死に至ることもあります。
また、薬は一時的な使用で終わることもあれば、一生使い続けなければならない場合もあります。
幸い今回のネコちゃんは免疫抑制剤で溶血が止まり貧血も無くなりましたが、薬を止めると再発します。定期的に検査をしながら薬を続けることになります。