アルヒ動物病院は、札幌の動物病院です。イヌ・ネコ・ハムスター・ウサギ・フェレット・他小動物の診療をおこなっております。
脂肪酸は脂質を構成する重要な成分で、食べ物の脂肪のほとんどが脂肪酸で出来ています。
体内に入ると脂肪組織の中にエネルギー源として蓄えられます。また細胞膜、脳、各種ホルモンを構成する材料になるなど、重要な働きを持っています。
脂肪酸には多くの種類がありますが、大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられ、不飽和脂肪酸はさらに一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分類されます。
飽和脂肪酸
主に動物の脂肪に多く含まれます。
この脂肪酸は溶ける温度が高く、常温では個体で存在しています。
そのため体の中で固まりやすく、中性脂肪やコレステロールを増加させる作用があります。
不飽和脂肪酸
一価不飽和脂肪酸(オメガ9脂肪酸)
オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸がこれです。
一価不飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールは減らさない作用があります。
多価不飽和脂肪酸
オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸があり、体内で合成できないものがあるため、食べ物から摂る必要があります(必須脂肪酸)。
・オメガ6脂肪酸
リノール酸、アラキドン酸などがあり、ひまわり油、コーン油や鶏肉に多く含まれます。
オメガ6脂肪酸は炎症を促進する働き、皮膚や生殖機能を正常に保つ作用があります。
・オメガ3脂肪酸
α‐リノレン酸、EPA、DHAなどがあり、魚油や亜麻仁油に多く含まれます。
オメガ3脂肪酸は炎症を抑制し、血液を固まりにくくし、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす作用があります。
(必須脂肪酸)
α‐リノレン酸は体内でEPA、DHAに変化し、リノール酸はアラキドン酸に変化するため、犬の必須脂肪酸はα‐リノレン酸とリノール酸です。
猫はリノール酸をアラキドン酸に変換する酵素がほとんどないため、アラキドン酸も食べ物から摂る必要があります。
また、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸のバランスの良い比率は5:1~10:1と言われています。そのバランスを考えられたフードを選ぶようにしましょう。
おやつや人間の食べ物の与えすぎはバランスを崩してしまうため気を付けましょう。
トランス脂肪酸とは
この脂肪酸は天然の食品に含まれているものと油脂を加工・精製する工程でできるものがあります、天然のものだと牛肉や乳製品にふくまれ、加工・精製されたものだとマーガリン、ショートニングに多く含まれます。
牛肉、乳製品に含まれるトランス脂肪酸は、牛が不飽和脂肪酸を摂った時の分解の過程でつくられます。
この脂肪酸は、悪玉コレステロールを増やすだけではなく、善玉コレステロールを減らす作用があり、健康に悪影響を及ぼす可能性があるといわれています。不飽和脂肪酸が不安定で酸化しやすく日持ちが良くないため、ドッグフードやキャットフード、おやつにもトランス脂肪酸は含まれている物があり、注意が必要です。