アルヒ動物病院は、札幌の動物病院です。イヌ・ネコ・ハムスター・ウサギ・フェレット・他小動物の診療をおこなっております。
心臓のしくみ
心臓は拡張して血液を受け入れ、収縮して血液を全身に送り出すポンプのような働きをしています。
これを一定のリズムで休むことなく行い、常に全身に血液を循環させています。
この働きによって酸素や栄養素が身体中の細胞に供給されるとともに、そこでいらなくなった二酸化炭素や老廃物を運び出してくれている、とても重要な臓器です。
心臓は心筋と呼ばれる特別な筋肉でできており、右心房、右心室、左心房、左心室の4つの部屋があります。
全身で酸素を消費し二酸化炭素を受け取った血液は、大静脈→右心房→右心室→肺動脈を通り肺へと送り出され、二酸化炭素と酸素を交換します。
酸素を受け取ると、肺静脈→左心房→左心室→大動脈を通り全身へ運ばれ、再び酸素が消費されると大静脈から右心房に戻ってきます。
また右心房と右心室の間に三尖弁、右心室と肺動脈の間に肺動脈弁、左心室と左心房の間に僧帽弁、左心室と大動脈の間に大動脈弁があり、血液が逆流するのを防いでいます。
心臓病の特徴的な症状
咳-大きくなった心臓に気管が押され、うっ血の影響が肺に出ることで起こります。夜中から明け方、興奮した後や運動後に出やすく、症状が悪化すると安静にしていても出るようになります。
小さくこもったような咳から始まり、のちにゼーゼーと喉に引っかかるような激しい咳が出始めます。
運動不耐性-筋肉などに十分な血液(酸素や栄養)が行き渡らなくなるために起こります。失神-心臓から脳へ送り出される血液量が減少し、脳に供給される酸素が不足するのが原因で起こります。
興奮した時や運動時に突然倒れ、1~2分後すぐに起き上がり正常な状態に戻るのが特徴です。
散歩や運動を嫌い、動くとすぐに疲れて座ってしまう姿がみられるようになります。ほとんど動かなくなると心臓は末期の状態です。
呼吸困難-心臓病が進行すると肺の血圧が上がり肺水腫を起こします。これが肺に水が溜まっている状態です。水が邪魔をして体内にうまく酸素を取り込めず、とても苦しそうに荒い呼吸をします。血混じりで泡状の鼻水や、酸欠で舌や歯茎が紫色になるチアノーゼを示している場合はかなり危険な状態です。
お腹が膨らんでいる-ほとんどが腹水によるものです。心臓の循環不全が全身に影響を与え始めると溜まってきます。腹水でお腹がパンパンになると、苦しくて元気や食欲が落ちる場合もあります。
痩せてくる-食べているのに痩せてくることがあり、心臓病からくる疲労や呼吸困難などによる食欲不振でカロリー不足になります(心悪液質)
心臓は全身に血液を循環させているため、どこか1つでもダメージを受けると全身に影響を及ぼします。
症状が現れた時にはすでに病気は進行し、元の健康な状態に戻ることはありません。
そのため心臓病は早期発見、早期治療がとても大切です。一つでも当てはまるようなことがあれば、すぐに検査を受けましょう。そして快適な生活を少しでも長く送れるよう、特に7歳を過ぎたら、最低でも半年に1回の健康診断をおすすめします。