アルヒ動物病院は、札幌の動物病院です。イヌ・ネコ・ハムスター・ウサギ・フェレット・他小動物の診療をおこなっております。
<脂質>
脂質は重要なエネルギー源となり、エネルギー産出量はタンパク質・炭水化物のおよそ2倍あります。脂質は必須脂肪酸(体内で合成できない脂肪酸)を補給し、消化管内で脂溶性ビタミンを吸収するのに欠かせない栄養素です。脂質の構成成分である脂肪酸は健康な皮膚・被毛・免疫系の強化および繁殖機能の維持など様々な過程で必要とされます。
イヌの必須脂肪酸はリノール酸・αリノレン酸の2種類ですが、ネコはさらにアラキドン酸が必要となります。イヌは体内でリノール酸をアラキドン酸に変換することができますが、ネコは変換酵素が少ないため、食餌から摂取しなければいけません。
<炭水化物>
イヌもネコも食餌中の炭水化物をエネルギー源、食物繊維の供給源として利用することができます。炭水化物は糖質(糖類・デンプン)と食物繊維に分かれます。
ネコは糖の消化や代謝能力が十分ではないため、多すぎる炭水化物は利用できず、尿中に排泄されてしまいます。ネコはエネルギー源として、糖の代わりにタンパク質を利用しているので、炭水化物の要求量はイヌよりも低くなっています。
<ビタミン・ミネラル>
イヌと比較すると、パントテン酸以外のビタミンは、ネコの方が要求量は高くなっています。これも、ネコが完全肉食であるため、肉に豊富に含まれているビタミンの合成能力が低くなっているからです。
また、ネコは、カロテンをビタミンAに変換できないため、直接摂取する必要があります。しかし、脂溶性ビタミンのビタミンAは過剰摂取すると中毒を起こす可能性があるので注意が必要です。
ミネラルもイヌよりもネコの方が要求量は高いといわれていますが、ミネラルは摂取時のバランスがとても重要になります。特定のミネラルが多すぎたり、少なすぎたりすると他のミネラルの吸収に影響を生じ、欠乏症や過剰症を引き起こすことがあるので注意が必要です。
雑食性のイヌと肉食性のネコでは必要栄養素も、要求量も異なります。また同じ雑食性でも、イヌは限りなく肉食に近い雑食になるため、ヒトとは必要栄養素や量は異なります。
手作りフードで完全なバランスのとれた食餌を作るには、多くの栄養学の知識が必要になります。手軽に全ての栄養素を満たすように作られているのが総合栄養食と表記されているペットフードです。ネコにはキャットフードを、イヌにはドックフードをきちんと与えましょう。また、動物の種類だけではなく、そのライフステージ、健康状態、活動レベルによっても必要栄養素の量は変わってくるので、その子に適したペットフードを選ぶようにしましょう。