涎が出ている、口を痛がる~ネコの慢性歯肉口内炎2013年10月22日

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1ヶ月以上前から食欲が徐々に落ち、涎を流すことが多くなってきた10歳のネコちゃん

食べるときに時間がかかり、痛そうなしぐさをするようです。

 

診察すると、口の周りが血液の混ざった涎で汚れています。口を触ると痛がり、もちろん口を開けることもいやがります。

口の中は、歯肉口内炎がひどく、出血している部分もあります。歯石もついており、一部、歯が浮いているような場所もあります。

 

一時的な歯肉口内炎は細菌・ウィルスによる感染、喧嘩などによる口腔の傷、火傷、アレルギー等でも起こります。

今回の仔の場合は、すでに1か月以上も経過し、徐々に悪化しているため、慢性の歯肉口内炎です。

慢性の歯肉口内炎は、涎や採食困難から気づくことが多く、気づいた時にはかなり深刻な状態になっていることもあります重症例では全くものを食べられず、体重が激減してくる仔もいます。

 

慢性の歯肉口内炎の原因は、感染症、腎不全、腫瘍など明らかな場合もありますが、不明なことが多く、免疫が関係していると言われています。

細菌と猫のカリシウイルス(ネコの風邪と口内炎の症状)の関与や、猫免疫不全ウイルス(猫エイズ)との関係も指摘されています。

 

治療は、原因がはっきりしているのであれば、できる限りそれを取り除くことが第一です。原因がはっきりしていない場合、細菌の増殖を抑える薬、炎症を抑える薬、免疫を調整する薬など、その仔の症状に合わせて薬を使います。

歯石の除去、口腔の清浄化、使い物にならない歯の抜歯も必要です

完全な治癒が難しく、場合によってはすべての歯を抜くこともあります。それでも完治しないことも多く、対症療法に頼らざるを得ないケースも少なくありません。

 

日ごろから口腔の観察、できれば歯磨きなどのデンタルケアが理想です。

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