アルヒ動物病院は、札幌の動物病院です。イヌ・ネコ・ハムスター・ウサギ・フェレット・他小動物の診療をおこなっております。
最近吐く様なしぐさが増えてきた、という12歳のポメラニアンのワンちゃん
食欲にはムラがあるものの、ほぼ普通に食べます。
食べ物を吐くことはなく、吠えた後に、吐きそうになることが多いそうです
お話をよく聞くと、特に興奮して、むせるような咳をした後、吐くようなしぐさをしている様です。
心臓の音を聴診すると雑音が聞こえます。血液の流れがおかしくなったときに、心臓の雑音は聞こえます。
レントゲン検査、心臓エコー検査の結果、心臓が肥大していました。心臓の左側の部屋を仕切る弁が緩んでいて、血液の逆流が起こっています。心臓の雑音も、これに伴うものです。
心臓には4つの部屋があり、4か所に弁があります。血液を送り出すときに心臓の弁が仕切りとなって、血液の逆流を防いでいます。血液が逆流すると、せっかく送った血液が戻ってくるため、もっと力を入れて血液を送らなければなりません。心臓に負担がかかり、心肥大になります。また、肺の方にも圧力がかかり始め、咳が出るようになります。
始めはこもったような小さな咳で、気が付かないこともあります。吠えた後や、興奮した後、運動した後にすこし咳き込む程度かも知れません。次第に咳の頻度が増えはじめ、元気がなくなってきます。
一度緩んでしまった心臓の弁を元に戻すことができないため、心臓の薬は少ない力で血液を送るような薬が主体となり、ほとんどの場合、一生涯使い続けなければなりません。症状が軽ければ薬の量も種類も少なくてすみます。ただ、どんなに薬を続けていても少しずつ進行します。病気の進行具合を診るため、定期的な検査が必要になります。
症状が進行すれば、ちょっと動いただけで咳き込み、呼吸が苦しくなります。肺に水が溜まり、呼吸が出来なくなることもあります。また、心臓の動きがおかしくなり、突然倒れることや、急死することもあります。
ワンちゃんのためにも、経済的にも、なるべく早期に診断を付けて薬を始めるべきです。