アルヒ動物病院は、札幌の動物病院です。イヌ・ネコ・ハムスター・ウサギ・フェレット・他小動物の診療をおこなっております。
1週間前からだんだん元気、食欲が落ちてきた、11歳のチワワの女の子
お腹が少し張ってきた感じで、2日前から全く食事をとらず、今日は吐いています。
2~3週間前からお水を飲む量が増え、おしっこの量もふえています。
さらに、数日前からお尻の周りが汚れている、とのこと。
外陰部から血液の混ざった膿がでています。
レントゲン検査、超音波検査を実施すると、お腹の中に袋状の物に包まれた液体らしいものが存在します。
お腹の中で袋に包まれ液体は、膀胱の中のおしっこ、下痢がひどいときの消化器内の水分、腫瘍の中の水分、女の子では子宮の中の水分等があります。液体の位置や数、外陰部からの膿を考えると、子宮の中に膿が溜まる、子宮蓄膿症が考えられます。
原因は陰部から侵入した細菌です。細菌は子宮に入り込み、免疫力の落ちた子宮では細菌が増殖し、子宮内膜炎を起こします。さらに抵抗力の落ちた子宮では細菌が増殖を続けて膿が溜まり、子宮蓄膿症になります。
ほとんどの仔は多飲多尿になり、次第に元気、食欲が落ちます。さらに吐気が出始め、放置しておけば、子宮が破れて腹膜炎を起こすことや、細菌の出す毒素による腎不全などで死にいたります。また、陰部から膿が流れ出ないタイプもあり、急激に膿で子宮が満たされ、危険な状態になりやすいタイプです。
治療には内科療法、外科療法があります。内科療法の基本は細菌を殺す抗生物質と、子宮を動かして膿を体の外に排泄するホルモン剤です。この場合再発することもあり、子供をとらないのであれば、外科療法が基本です。外科療法は卵巣と膿の溜まった子宮を取り除く手術なので、再発はありません。当然、放置して状態が悪化すれば、手術自体が危険になります。また悪い状態での手術は、成功しても回復までの体力が続かない可能性もあり