アルヒ動物病院は、札幌の動物病院です。イヌ・ネコ・ハムスター・ウサギ・フェレット・他小動物の診療をおこなっております。
3週間前から突然顔と背の毛が抜けてきて、どんどんひどくなっている、という11歳のビーグルのワンちゃん。
多少の痒みはあるようですが、ひどくはなさそうです。
なんとなく元気が落ちていますが、食欲は普通です。
顔と背中に、ほぼ左右対称に皮膚が剥がれ落ちるように脱毛しています
脱毛の原因は幾つかあります。
アレルギー、ホルモンバランス、栄養性、細菌・真菌感染症、免疫性等。
アレルギーや感染性は痒みが強い場合が多く、その他は痒みがあまり顕著でありませんが、その症例により様々です。また、原因が一つでない場合もあり、痒みや脱毛の仕方だけでは判断できません。
今回のワンちゃんは幾つかの検査の結果、エリテマトーデスという自己免疫の病気でした。
自分の体を自分で壊すような病気です。ヒトでは膠原病と呼ばれる病気の一種で、原因は分かっていません。
皮膚病のほか、関節炎、腎障害、貧血など色々なところに症状が出る可能性があり、重症では亡くなる場合もあります。
皮膚病変の場合でも、顔、四肢、指間、背など、その症例により違います。
この病気は免疫の異常な働きが原因のため、免疫を抑制する薬を使いますが、完全に治すことがなかなか難しく、多くの症例で障害薬を使い続けることになります。
薬を使っても、症状が進行して行く場合も少なくありません。
免疫抑制剤はいくつか種類があり、数種類を併用することもあります。また、治療は数ヶ月、数年と長期間になることが多く、長期間の薬の使用は胃腸炎や感染症を起こしやすいため、慎重に種類や量を決定して経過を見るため、頻繁な検査が必要になります。