アルヒ動物病院は、札幌の動物病院です。イヌ・ネコ・ハムスター・ウサギ・フェレット・他小動物の診療をおこなっております。
腎臓病(腎不全)は急性と慢性に分けられます。
急性は障害を受ける場所によってさらに3つに分けられます。
・腎前性
腎臓より前の段階でトラブルが起こり、腎臓に流れる血液量が低下した場合。(ケガなどによる出血や熱中症による脱水も原因になることがあります。)
・腎性
腎臓そのものが障害を受けた場合。(感染症、中毒等)
・腎後性
尿路系が障害を受け、排尿が妨げられた場合。(尿石症等)
急性腎臓病の場合は数時間~数日のうちに急激に悪化し、死亡してしまう危険が高いため、迅速な原因の除去や治療が必要です。
慢性腎臓病は数か月~数年にかけて徐々に機能が低下していきます。原因の特定は困難ですが、高齢の犬猫に多く見られ、また急性から慢性になることもあります。
腎臓の細胞であるネフロンは全体の約70%の機能が低下しないと症状を出しません。
ネフロンは一度壊れてしまうと再生ができないので、症状が現れたときにはかなり進行していると言えます。
残っているネフロンも足りない分を補うため、今までの何倍も働くことになり、次々に壊れていってしまいます。
療法食や薬で進行を遅らせることはできますが、治すことはできません。できるだけ早く発見してあげることが重要です。
腎不全の症状で最も早期に現れるといわれているのは多飲多尿(水をよく飲み、たくさん尿をする)です。
これは再吸収がうまく行われず、体が脱水状態になることで起こります。
その他にも
・尿のニオイが減った(薄くなった)-濃縮機能の低下
・便秘になりやすくなった
・毛並がわるくなった
・口臭が気になってきた
・食欲にムラがあり、痩せてきた
・ときどき吐く、吐く回数が増えた
・歯茎が白い-貧血
などがあります。
ほとんどのネフロンが機能しなくなると、老廃物をろ過することができなくなるため、全身に毒素がまわり尿毒症という深刻な状態になってしまいます。尿毒症になると、嘔吐、下痢などが強く現れ、なかには痙攣などの神経症状を示す場合もあり、大変危険な状態となります。
こうなってしまう前に、気になる症状が1つでもある場合は、少しでも早く病院に連れて行ってあげてください。