アルヒ動物病院は、札幌の動物病院です。イヌ・ネコ・ハムスター・ウサギ・フェレット・他小動物の診療をおこなっております。
半年前から夜鳴きが始まり、徘徊するようになってきた18歳のマルチーズのワンちゃん。
昼はよく寝ていて夜起きだし、同じ場所をグルグル旋回します。
痩せていますが食欲は旺盛です。
老齢犬の認知症の疑いがあります
ワンちゃんの認知症の特徴は
狭いところに入りたがり、後退できない
トボトボと歩き同じ場所をグルグル旋回する
昼間は寝ていて夜起きだし、単調な声で鳴く
よく寝て、よく食べて、下痢もしないのに痩せてくる
飼い主の顔、自分の名前が解らなくなり、何事にも無反応
これらの症状は認知症以外の脳神経系の病気や老齢による生理機能の低下などでも観られることがあり、慎重な診断が必要です。
認知症の原因は不明な部分も多く、老化に伴う脳の委縮や神経に毒性のある物質が脳に沈着すること、また不飽和脂肪酸などの栄養素の不足も発症に関係していると言われています。
治療として、不飽和脂肪酸のEPAやDHAなどを多く含んだ高齢犬用病院食やサプリメント(栄養補助食品)を与えたり、薬物を投与したりする方法があり、ある程度症状の改善や進行の抑制が期待できます。また、適切な栄養管理と規則正しい食事・運動や、できるだけ声をかけ、遊んであげるといったことも治療、予防に大切なことです。
狭いところに入って動けなくなる場合は、大きめの円いサークルを利用するのも方法の一つです。
今回のワンちゃんは年齢のこともあり、なかなか徘徊はおさまりませんが、夜鳴きは改善傾向にあります。
認知症の予防は難しいため、早期発見・早期治療が大切です。規則正しい食生活をさせ、日ごろから動物をよく知っておくことです。少しでも疑われる症状が現れはじめたら、動物病院の診察を受けるようにしましょう。