アルヒ動物病院は、札幌の動物病院です。イヌ・ネコ・ハムスター・ウサギ・フェレット・他小動物の診療をおこなっております。
哺乳類の体液(血液やリンパ液)のpH「水素イオン濃度(H+)」は、常に弱アルカリ性の7.4±0.05(7.35~7.45)に保たれています。
さまざまな原因でpHのバランスが崩れ、血液のpHが7.35未満(酸性)になった状態を「アシドーシス」、7.45を超えた(アルカリ性)状態を「アルカローシス」と言います。
それぞれ呼吸不全が原因で起こる「呼吸性」のもの、腎臓や消化器の障害による「代謝性」のものがあります。
「呼吸性アシドーシス」
呼吸数の減少を伴う呼吸器疾患に起因し、酸素量の減少(酸である二酸化炭素CO₂の増加)によってpHが酸性に傾きます。
「呼吸性アルカローシス」
過換気などによる呼吸数の増加で、酸素量の増加(二酸化炭素CO₂の減少)によってpHがアルカリ性に傾きます。
「代謝性アシドーシス」
糖尿病や腎不全などで体内の水素イオン(H+)の増加、またはアルカリ性物質である重炭酸イオン(HCO₃-)の減少よってpHが酸性に傾きます。
「代謝性アルカローシス」
胃酸の嘔吐などで体内の水素イオン(H+)の減少、または重炭酸イオン(HCO₃-)が増加によってpHがアルカリ性に傾きます。
症状
軽度のアシドーシス、アルカローシスではほとんどの場合無症状です。
重度の場合はアシドーシスになると浅く不規則な呼吸、血圧の低下、ショック、昏睡などが起こり、アルカローシスになると筋痙攣、反射の亢進、意識障害、昏睡などで、どちらも急死の恐れがあります。
体液のpHの調整
体液のpHを常に平衡状態に維持しているのが肺と腎臓です。
肺は酸である二酸化炭素(CO₂)を排出します。
腎臓は重炭酸イオン(HCO₃⁻)を作って酸を減らします。
治療
原因疾患の治療が第一となります。