アルヒ動物病院は、札幌の動物病院です。イヌ・ネコ・ハムスター・ウサギ・フェレット・他小動物の診療をおこなっております。
痒みは皮膚に異物が付いたことを知らせる生体の防御反応のひとつです。
体に異物が付着すると、皮膚はそれを刺激として察知し、皮膚内部から「痒み物質」を分泌させます。この物質が知覚神経を刺激して脳に情報が伝達され、脳は”痒み”として認識し、反射的に異物が付着した個所を掻いて異物を取り除こうとします。
痒みの原因
痒みの原因は細菌や真菌、寄生虫、接触アレルギー、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などがありますが、急激な温度変化やストレスによって痒みが強まることもあります。
また、内臓疾患や癌でも痒みを感じることがあります。
痒みの悪循環
皮膚から脳へ感覚を伝えるのは脊髄のなかの神経ですが、痛みの神経回路は痒みを伝える神経回路を抑制するため、痒みが生じて強く掻くとその場所に痛みが生じ、一時的に痒みも治まります。
しかし、痒い所を掻き続けると皮膚を傷つけてしまい、皮膚のバリア機能が低下してしまいます。そうすると、アレルゲンが侵入しやすくなったり、わずかな刺激にも反応して痒みが起こりやすくなったりします。
また、皮膚に存在する細胞から炎症を促す物質や、痒みの神経にはたらく物質が放出されるので、皮膚炎が悪化しさらに痒みも強くなります。
イヌの皮膚の角質層の厚さはヒトの1/3程度、ネコは1/5程度しかなく、刺激や乾燥に弱くなっています。
愛玩動物は痒みの制御が難しいので、飼い主が注意してあげる必要があります。
痒みの物質
痒みを引き起こす物質としてヒスタミンが有名ですが、ヒスタミン以外にもいろいろな物質によってかゆみが引き起こされます。セロトニン、タンパク質分解酵素、脂質、サイトカインなどがあります。
痒みの薬
痒みを抑える薬には抗ヒスタミン剤、ステロイド剤、免疫抑制剤、サイトカイン機能抑制剤などがあります。
原因によって使用できる薬が違い、抗生剤や抗真菌剤を使用する場合もあります。
難治性の物はアトピー性皮膚炎や内臓疾患からの痒みの可能性があり、早めに受診することが大切です。