アルヒ動物病院は、札幌の動物病院です。イヌ・ネコ・ハムスター・ウサギ・フェレット・他小動物の診療をおこなっております。
草食動物も肉食動物も口から入った食物が食道、胃、十二指腸、小腸、大腸と順番に送られるのは同じです。
栄養価の高い肉を食べる肉食動物は、消化する時間が速いため腸管は短くなっています。
消化の悪い植物を食べる草食動物は、腸管が長く消化に時間をかけるようになっています。
腸管の長さは、ネコで体長の約4倍、イヌで約5倍ですが、草食動物のウシでは体長の約20倍、ウマで約10倍、ウサギで約10倍になります。
イヌ、ネコの消化管
肉食動物のネコや肉食に近い雑食動物のイヌの胃は、タンパク質を消化酵素で分解する能力は優れていますが、植物に多く含まれる炭水化物を分解する力は低くなっています。特にネコはほとんど炭水化物を消化することができません。
草食動物の消化器
草は大部分が繊維質(セルロース)でできていますが、ほとんどの動物はセルロースを消化することができません。
草食動物は消化器の中にセルロースを分解できる微生物を存在させ、これを利用して草から栄養を取っています。
胃が4個あるウシは「前胃発酵動物」で、第一胃の中には微生物が大量に存在します。
ヒトやイヌ、ネコの胃と同じように消化液を出すのは第四胃だけです。
微生物はセルロースを分解してタンパク質を作っています。そのタンパク質は微生物自身の体を作るために使われますが、死んだ微生物は第四胃で消化されます。
ウサギやウマなどの「後腸発酵動物」は大腸に大量の微生物がいます。
口から食べたものは、胃から小腸、大腸を通って糞として外に出ます。その中で栄養を主に吸収するのは、胃と小腸ですので、大腸にいる微生物がセルロースを分解して栄養を作っても、それを吸収する胃や小腸はすでに通り過ぎています。
ウサギは食糞をすることで、栄養を補います。大腸にいる微生物によって作られた栄養をもう一度食べることで、効率よく栄養を吸収します。
ウマは食糞することはないので、消化の良い草を選びながら場所を移動します。また、穀物や根菜類、マメ科牧草など高栄養価の植物を必要としています。