アルヒ動物病院は、札幌の動物病院です。イヌ・ネコ・ハムスター・ウサギ・フェレット・他小動物の診療をおこなっております。
血液型は赤血球の表面にある抗原によって決まります。
血清学的方法によって多くの型に分けることができます。
輸血のときに血液の適合性を見るために重要なのが、ヒトでは「ABO式」と「Rh式」です。
イヌでは「DEA式」、ネコでは「AB式」の血液型が重要です。
ウサギで重要なのは「H式」で、H1型H2型H1H2型O型の4種類です。
フェレットは輸血の時に問題になる血液型はないとされています。
イヌの血液型
イヌの血液型は13種類以上あるといわれていますが、国際的にはDEA(Dog Erythrocyte Antigen=犬赤血球抗原)式による分類がよく用いられ、認知されているのは8種類で、それぞれ陽性(+)と陰性(-)があります。
DEA 1.1(+)or(−)、DEA 1.2(+)or(−)、DEA 3 (+)or(−)、DEA 4 (+)or(−)
DEA 5 (+)or(−)、DEA 6 (+)or(−)、DEA 7 (+)or(−)、DEA 8 (+)or(−)
犬の場合、1頭で複数のDEA型を持っています。
この中で輸血の際に重要なのは、「DEA1.1」の判定です。
「DEA1.1」は赤血球表面抗原のタイプの中で最も抗原性が強く、「DEA1.1」には陽性(+)と陰性(−)があり、「DEA1.1(+)」の血液を「DEA1.1(−)」に輸血すると赤血球が急速に破壊され、命にかかわる状態に陥ることもあります。
その逆では問題なく輸血することができます。
ネコの血液型
ネコの血液型はA型、B型、AB型
各遺伝子の力関係は「A>AB>B」とされており、親が「A型」と「B型」の場合は「A型」の子、「AB型」と「B型」の場合は「AB型」子が生まれてきます。
90%のネコはA型と言われています。
「B型」血液に含まれるA抗体は抗原性が強く、「B型」血液を持つネコに「A型」の血液を輸血したときの方が重篤な症状を引き起こす可能性があります。
クロスマッチテスト (交差適合試験)
輸血する際には血液型検査の他に、必ずこの試験を行います。
まず血液を受け取る側、与える側、それぞれ血液中の赤血球と血漿(液体成分)を分離します。
血液を受け取る側の血漿と血液を与える側の赤血球を混ぜ合わせる(主試験)。
血液を与える側の血漿と血液を受け取る側の赤血球を混ぜ合わせる(副試験)。
血液が適合しない場合は、赤血球がくっつき合い、使用できなくなります(凝集反応)。