アルヒ動物病院は、札幌の動物病院です。イヌ・ネコ・ハムスター・ウサギ・フェレット・他小動物の診療をおこなっております。
胆嚢は肝臓の近くにあり、肝臓で分泌された胆汁を溜めておく袋状の臓器です。
胆汁の成分は胆汁酸やビリルビリン、コレステロールなどで、肝臓で常に分泌され胆嚢に溜められます。
胆汁酸には消化酵素を含みませんが、十二指腸で膵液と一緒になって脂肪の消化と吸収を促す作用があります。
また、胆汁は余ったヘモグロビンやコレステロールなどの老廃物を便と共に体外に排泄する働きがあり、胆汁の殆どは小腸で再吸収され肝臓に戻されます。
馬や鹿、ラット、ゾウなど胆嚢がない動物もいます。
胆汁は常に肝臓から分泌されているため、毎日ある程度規則的に食事をとれる草食動物では胆嚢がなくても問題がないようです。
【胆泥、胆石症】
胆嚢に蓄えられた胆汁が、結石化してしまったのが「胆石症」です。
正常な胆汁は、サラサラした液体ですが、何らかの原因で胆汁成分に異常をきたすと粘着化して「胆泥」となり、さらに硬質化すると「胆石」になります。
原因:
肝胆道系疾患、膵炎、糖尿病、高脂血症などの病気のほか、食事内容、肥満、運動不足、遺伝など様々な要因が考えられています。
症状:
食欲不振、腹部の圧痛。
黄色や緑色液体や未消化物の嘔吐。下痢、泥状便や白っぽい脂肪便をすることもあります。
耳介の内側や歯肉、白目に黄疸があらわれることもあります
胆泥や胆石を放置したままにしておくと、胆嚢の重度な炎症や胆石が胆管に詰まることによる胆嚢炎、胆管肝炎、胆管閉塞、胆嚢破裂、腹膜炎などを引き起こし、重篤な状態になる可能性があります。
診断:
確定診断はレントゲン検査やエコー検査などの画像診断。
病気の進行状態を診るために血液検査も必要となります。
治療:
胆泥、胆石の根本治療は外科手術ですが、症状や状態、年齢、体力などを考慮し、外科手術にするか内科治療にするか決定します。
内科療法は原因によって抗生物質、強肝剤、利胆剤、胆嚢収縮改善薬、脂質代謝改善薬などを使用します。