肝硬変2020年01月17日

ホーム > アーカイブ > 肝硬変

 

肝硬変とは、柔らかい肝臓の組織が、線維化と呼ばれる変化をきたし、硬くなってしまった状態です。
肝臓は代謝、解毒、エネルギー貯蔵、胆汁の生成分泌、血液貯蔵など生体の重要な働きを担っており、再生能力が高い臓器で、大部分が切除されたとしても8週間ほどで元の大きさにもどります。
しかし、繰り返す炎症などで正常細胞が破壊され続けて修復が間にあわなくなると、壊された細胞が繊維化し、本来の働きが出来なくなってしまいます。

症状:
初期では下痢や便秘などみられますが、明確な症状が現れない場合もあります。
進行すると、体重減少、腹水、黄疸などが出始めます。
末期には肝臓の解毒作用が働かなくなり、神経機能の異常をきたす「肝性脳症」に陥り、発作や昏睡が現れ、命に関わる可能性がでてきます。
原因:
多くの場合、慢性肝炎が続いた結果おこります。
その他、肝腫瘍、胆管結石、胆汁うっ滞、細菌やウイルス、薬物や中毒など。
長年の食生活による場合もあります。
診断:
一般検査の他、血液検査や画像検査、場合によっては肝生検を行います。
治療:
基礎疾患を治療し、原因によって肝機能改善薬、抗生剤、食欲増進剤などを使います。
進行した場合は完治が難しく、症状を軽減させることを目的とした対症療法が中心になります。
腹水が溜まってきた場合は、利尿剤を使用して尿として水分を排泄させることや、お腹に直接針を刺して液体を抜くこともあります。
食事療法:
肝臓に負担をかけない良質で消化の良い食事を、少量ずつ数回にわけて与えます。
ある程度進行した場合は、高品質のタンパク質を適度に制限し、塩分も制限しますが、それぞれの状態に合わせて必要な栄養素も変わってきます。

原因が特定できないこともあり、生涯にわたって治療必要とする場合も少なくありません。なるべく早期のからの治療が大切です。

 

このページのトップへ ▲